ROASTED Maple 加工


*** Musikraftの説明 :
日本ではサーモウッドと呼ばれる事もあるロースト加工は当社が最初に開発した手法です。 この加工は非常に高温の熱処理やその他の特殊な 乾燥プロセスを経て木材から水分を除去し、樹脂成分を結晶化するものです。 この処理をすると非常に丈夫で安定した軽量な材になります。 最大の恩恵は湿度や温度変化にほとんど影響を受けなくなるという点で、 季節の変化などが原因となるロッド調整もほとんど必要無くなります。 安定した材になるため、トラ目やバーズアイ等の一般的に 曲がりやすいネックには特に効果的です。この処理により木目が 強調されて見えるようになるため材の美しさがより際立ち、音質とサスティーンも 向上する傾向があります。加工は通常メイプルネックにのみ施されますが、多くの実験と失敗を繰り返した結果 ネックだけで無くボディ(AshとMaple)についても効果が得られる事を確認しました。 試してみれば必ずその違いが実感出来るはずです。

*** USACGがTCTGPに送って来た説明 :
「ローステッドメイプル」加工をすると材の色がダークになります。 この加工をすれば反ったり曲がったりする事はまず無いです。 杢が強く出ているトラ目やバーズアイでも大丈夫でしょう。

*** TCTGP 店長Katsumiより--
ローステッドメイプル加工は2012年くらいから流行り出しましたね。 Suhr、Sadowsky、MusicMan、Martin、etc・・・ みたいな所でもやっています。 (楽器業界で最初にやったのはMusikraftらしいです)

最初は「また業界が考えた新しい宣伝文句じゃないの?」と思っていたのですが、 メーカーだけでなく多くのビルダー達、更にはギター以外の木工職人達まで絶賛しているから どうやら実際にかなり良いみたいです。 これは単に高温で乾かす訳ではありません。そんな事したら材が焦げてしまうので。。 無酸素の状態ですごい高温にする特殊な乾燥用の装置を使います。 その後は各社のマル秘技術で楽器用材として最適にチューニングがされるのだそう。 (ちなみに加工をする時にいいにおいがするみたい。メイプルシロップのせいですかね?)
処理をするとミクロ組織的には長年経過したVintage ネックのように少ない水分で 樹脂成分が結晶化した安定した材になるそうです。 某社説明では基音(倍音じゃなくて)が強くクリアーになるって書いてありました。 (うーん、それが本当ならエフェクトの乗りが良いかも・・?)
この処理はメイプルにおいて特に効果的だそうですがアコギのスプルース材でも良い結果を 得たというビルダーの報告を見た事があります。Musikraftはアッシュ材についても効果的と言っていますね。

ちなみにこの加工をすれば塗装はいらないのかというのはUSAでも時々話題になります。日本のように四季があって湿度の変化が大きい国ならばシーラーかオイル塗装をしておけばより安心でしょう。

それにしてもローステッドメイプルの焼けた色はカッコ良いですね。


USACG Roasted Maple


USACG Roasted Maple


USACG Roasted Maple (塗装無しの状態でこんな色だとすると塗装するともっと茶色っぽい色が際立って見えるようになります)